DIZZY/OTHERめまい・その他

当院では、めまいや顔面神経麻痺などの疾患も診療を行っています。

めまいは内耳の障害による内耳性めまい、脳の疾患による中枢性のめまい、自律神経失調症などを含むその他のめまいに分けられます。難聴や耳鳴りを伴った回転性のめまいの場合には内耳障害が疑われますので耳鼻科を受診して下さい。頭痛や呂律不良や手足の麻痺を伴った浮遊性のめまいの場合には脳の疾患が疑われ、緊急を要す場合がありますので脳外科を受診して下さい。また、当院では顔面神経麻痺の診療も行っております。顔面麻痺はウイルスによるものが多く、発症後1週間程度は症状が悪化していきます。顔面麻痺の後遺症が残らないようにするためには、発症からなるべく早くに受診し、発症原因や重症度を評価して治療を開始することが重要です。

良性発作性頭位めまい症

めまいの中で最も多くみられる疾患です。寝返りや起き上がる動作上を向くなどの頭を動かす動作や、特定の頭の位置になると症状が現れます。ぐるぐると目が回るような回転性のめまいがあり、症状は数秒から十数秒で治まりますが、これが何度も繰り返し起こってしまうのが特徴です。耳の内耳には、頭や体の傾きを感知する「耳石器」という器官があります。この中の耳石という炭酸カルシウムの結晶でできた組織が剥がれ落ち、三半規管の中に入ることでめまいを発症します。

治療方法
赤外線CCDカメラで眼振(目の動き)を観察し、剥がれた耳石の位置を特定します。自然に軽快する場合が多いため対症療法が基本となりますが、難治性の場合には、頭を動かして剥がれた耳石を元の位置に戻す理学療法(耳石置換法)を行うと改善を早めることがあります。

メニエール病

メニエール病は耳の症状(難聴、耳鳴り、耳閉感など)を伴った回転性のめまいが反復する病気です。めまいは30分~数時間ほど持続します。30~50代の女性に多く、ストレスなどをきっかけに内耳のリンパ液が増えて水ぶくれ状態になることが原因と言われています。

治療方法
主に薬を使って治療を行います。リンパ液の量を正常にするため利尿剤や血流改善剤などを使用します。その他にもめまい症状を抑える抗めまい剤、吐き気止めなど、症状に合わせて処方します。また、メニエール病はストレスや過労、睡眠不足が蓄積されると発症しやすくなるため、しっかりと睡眠をとる、ストレスが溜まらないよう息抜きの時間を作る、適度な運動をして血流をよくするなど、日常生活も見直していきましょう。

顔面神経麻痺

顔の筋肉を動かす顔面神経が何らかの原因で障害され顔の麻痺が起こる病気です。突然、目が閉じにくい、口が曲がる、口元から水がこぼれるなどの症状が出現します。顔面神経には唾液や涙の分泌を促す働きもあるので、涙や唾液の量が減るという症状がみられる場合もあります。麻痺の原因の多くはウイルスによるもので、「ベル麻痺」や「ハント症候群」が代表的な疾患です。ベル麻痺は特発性顔面神経麻痺ともいわれ、発症原因はよく分かっていませんが、単純ヘルペスウイルスの関与が指摘されています。ハント症候群は、顔面神経に潜んでいた帯状疱疹ヘルペスウイルスが、免疫力低下などを契機に再活性化することで発症します。耳痛やめまいや難聴などの症状を伴うことが多く、麻痺も重症で後遺症が残りやすいという特徴があります。

治療方法
ステロイド剤を使用して神経の炎症やむくみを改善します。また、抗ウイルス剤やビタミン剤も併せて使用します。治療には数ヶ月かかることが多く、後遺症予防のために顔面マッサージなどのリハビリを行います。